会社の利益がある程度増えてきたら、分社化を検討してみてもいいかも知れません。
分社化とは簡単に言うと、もう1つ会社を作ることです。
会社を増やすことで、受けられるメリットを倍にすることができることもありますので、検討してもいい手法と言えるでしょう。

■分社化のメリット

・法人税の軽減税率(800万円まで)の適用が増える

中小企業の場合、各事業年度の所得が800万円までは15%という軽減税率が適用されます。本来の税率は23.4%ですので、最大で800万円×(23.4%-15%)=672千円分(地方税を含めるともっと)の税額メリットを受けられることができます。

仮に元の法人が1,600万円の所得だった場合、これを分社化して所得を半分にできれば、800万円×2になりますので、軽減税率をフル活用することができます。もちろん、そんなうまいこと分割できる保証はないですが、理屈としてはそうゆうことですね。

・交際費の非課税額(800万円まで)の適用が増える

中小企業の場合、各事業年度の交際費等の額が800万円までは損金算入となります。800万円超の部分は全額損金不算入となりますので、これも軽減税率と同様に、会社を分割することで最大1,600万円まで損金に算入することができます。

・消費税の免税事業者になれる

基準期間がない課税期間(その事業年度の前年・前々年)については原則として消費税の免税事業者となります。仮に年間の課税売上が5,000万円、課税仕入が2,000万円だった場合、課税事業者は(5,000万円-2,000万円)×8%=240万円の納税が必要ですが、免税事業者の場合はこれを納付する必要がありません(法人税上の利益にはなりますが)。したがって、240万円×(1-法人税率)分については、「得」することになります。

■分社化のデメリット

・住民税の均等割が増える

法人住民税の均等割は、会社があるだけで課される税金です。したがって、会社を増やせばその分だけ均等割が増えることになります。最低の均等割りは7万円程度ですので、この分は確実に増えるコストということになりますね。

・会社の設立費用がかかる

株式会社であれば20万円、合同会社であれば10万円程度の会社設立費用が発生します。このほか、ちょちょっとは費用がかかるかと思います。

・税理士報酬が増える

会社が増えるので単純に税理士報酬も増えると思います。

ということで、メリットがデメリットを明らかに上回るのであれば、分社化を検討しても良いでしょう。なお、明らかに節税目的の分社化は否認される可能性も否定できませんので、分社化の際は必ず税理士に相談するようにして下さい。

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税理士KEN(冨田健太郎)
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