平成28年分も例外なく、年末調整とは社員の源泉所得税の一部を還付(税金の払い戻し)する年1回のイベントです。年末調整は税金を払い過ぎた(=天引きし過ぎた)のでお返ししますねという制度です。ちなみに、還付は年末調整の独特な制度ではなく、税法上の一般的な考え方です。そして、実は会社も納めた源泉所得税を還付してもらうことが可能です。それでも実務ではあまり聞きません。不思議に思いませんか。

年末調整で源泉所得税を還付してもらうためには?

還付してもらうためには、平成28年分の年末調整をした月の源泉所得税額より全社員の還付金額のほうが多いのが大前提です。
次のケースを例にしましょう。

①年末調整をした月の源泉所得税80万円
②平成28年分の全社員の還付金額200万円

この場合、会社が源泉所得税を還付してもらえる金額は

②-①=120万円

になります。

税務署に還付請求をすれば制度上では源泉所得税の一部は会社に戻ってきます。しかし、手続きが面倒なのです。年末調整における還付金額の計算資料の提出が求められ、税務署はそれを厳密にチェックします。手間も時間もかかるんですね。待ってる時間の無駄なので、上記の例でいう還付金額120万円を翌月に充当して、源泉所得税を納める額を減らすのが一般的です。

なぜ税務署は還付するのに時間をかけるのか

税務署が還付をするのに慎重なのは、会計検査院のチェックが入るからに他なりません。簡単に言いますと、税金を会社に払い戻す過程をチェックされるのです。税務署に問題があると会計検査院に指摘を受けるので担当官は必死になります。そのため、慎重にならざるを得ないんですね。年末調整を行うときの豆知識として知っておいても良い話かと思います。

年末調整で源泉所得税の還付をオススメしない2つの理由

還付をオススメしない理由は以下の2点です。

①還付でも充当でも最終的には納める源泉所得税は同額
②還付請求が面倒であり、かつ、還付に時間がかかる

であれば、通常通り、翌月以降の源泉所得税に充当していけば良いのではと私は思います。資金繰りが苦しい企業は還付を考えても良いと思いますが。

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