年末調整をするのは当たり前だというのは、給与所得者及び会社側の双方に共通する考えかと思います。それは平成28年分も同じですよね。それにもかかわらず、このタイトルにしたのは年末調整の趣旨をより明確にするためです。時系列で確認していきましょう。

源泉所得税と年間所得税は意味が正反対

平成28年分の年末調整をゴールに次のケースで源泉所得税の本質を考えて見ましょう。

例)A社員の源泉所得税と還付金額
①1月から12月までの金額120万円(月10万円×12ヶ月)
②還付金額30万円
③年間所得税90万円(①-②

年末調整をする大前提に社員から源泉所得税を「毎月」天引きするという点が挙げられます。

フリーランスのように確定申告をする人たちは、年間所得金額の計算結果を受けて所得税額を計算し、納税しています(予定納税と言って、前年の所得税額の1/2を支払う制度はあります)。給与所得者は毎月天引き、そうでない人は年1回(予定納付分を入れると2回)、これは大きな差ですよね。つまり、給与所得者は毎月多めに所得税を前払いしてくれる、国としては「税金を取りっぱぐれない」優良納税者であると言えます。

源泉所得税という、年間所得税の前払いをしないとどうなるのか

平成28年分の年末調整によって年間所得税を確定させて、前払いした分の一部を精算します。源泉所得税を天引きした金額が多ければ還付されて、少なければ追加徴収されます。この業務を省略するために、給料から天引きしないで本人に確定申告をさせる会社が存在するとか。従業員が確定申告で年間所得税を確定し納付すれば、制度の趣旨と合致するように見えますが、これは所得税法に違反しています。源泉所得税を納付しなかったということで、不納付加算税という罰金的なお金を支払わなければならなくなります。会社には従業員の所得税を前払いするために、給料から天引きする義務があるんですね(「源泉徴収義務」と言います)。

年末調整以前に、キチンと源泉所得税を納付しましょう

会社は、従業員の給料から源泉所得税を天引きする義務がある以上、本人が確定申告して年間所得税を計算・納付して、結果が同じなら大丈夫ではなく、毎月天引きを行う必要があります。年末調整には、源泉所得税を天引きするという、大前提の基に成り立っているんですね。

【完全無料】今なら税理士に年末調整の疑問を無料相談できます!

>>年末調整に詳しい税理士に今すぐメール相談する(完全無料)