個人事業主が10万円を支払いました。その名目が事業に必要なパソコンと東京都台東区へのふるさと納税でも、所得金額から控除されるのは同じです。しかし、確定申告をするときは意図的に次の2種類に分けています。

・パソコン代・・・必要経費
・ふるさと納税・・・所得控除(寄付金控除)

さて、この違いは何でしょう。

・必要経費は青色申告で確定申告をするときに、収入金額から控除しきれないときは翌年以降3年間、繰越控除ができます。
・所得控除は所得金額から控除しきれないときは切り捨てられます。

同じような感じなのに、扱いが違いますね。この違いを知ることは、実は法律とは何かを理解することにつながるかと思います。

社会通念=法律?

語弊を恐れずに言いますと、法律とは社会通念です。つまり常識ですね。

社会通念上、事業を行えば経営環境によって赤字の年があるのは当然です。その損失を翌年で黒字にして取り戻そうとするでしょう。所得税の計算は税金を負担する能力です。ですから、確定申告をするときに過去3年間の赤字分を繰越控除できるんですね。社会通念上、過去の損失により税金の今年の負担能力が減少していると捉えていることになります。

一方、同じ所得金額から控除される所得控除は、確定申告で繰越控除の適用がありません。これはなぜでしょうか。そもそも、所得控除とは税法で定めた生活費です。
社会通念上、

・所得金額以上に生活費を使わないですよね
・借金してまで生活費に投入しようとは思いませんよね
・お金がないのに、ふるさと納税をしないですよね(よほどその街に特別な思いがあれば別ですが)

このように確定申告で所得税を計算する理論的な拠り所は社会通念なのです。これを無視して法律は語れないですね。

税法は最も社会通念に敏感な法律である

確定申告を経験すると毎年の税制改正が体感できるのではないでしょうか。たとえば、配偶者控除が廃止されるかどうかの議論の根底には、専業主婦が当たり前だった時代が変わり、今では共働きが当然になったという背景があるのではないのでしょうか。

そう、法律は社会通念であり、特に税法はそれに敏感なんですね。ですから、確定申告では常に税制改正が付きまといます。他の法律が毎年改正されるなんてありえませんが・・・。

確定申告をするときはぜひ社会通念を意識しよう

法律は一見する難しそうに感じることでしょうが、社会通念が本質ですので、常識と照らし合わせることで理解が深まります。これは必要経費になるのか?などは社会通念に照らし合わせて考えてみると分かり易いかも知れません

なお、確定申告で税制改正の対象になる項目は、配偶者控除を廃止する議論のように、ちょっと社会通念から離れてきたな・・・と思うのは私だけでしょうか。

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