いきなりですが、あなたはどのように生計を立てているのでしょうか。

実は確定申告書を見ると、それが分かるようになっています。確定申告書では10種類の所得別に、わざわざ収入金額を記載する欄が設けられています。これを見ればある程度はわかりますよね。確定申告って、所得金額をベースに納税額を計算するはずなのに・・・と思われるかも知れませんね。もちろん、確定申告書に収入金額を記載させて、どう生計を立てているかを把握するのには、ちゃんとした理由があります。

なぜ、所得別の収入金額を記載させるの?

確定申告書の記載欄に、収入金額と所得金額の両方を載せることで、間接的にその所得を得るために使った経費の金額が分かります。それらの金額を分析することで、生活が成り立つかどうかが見えてきます。

もし、税務署にこの収入金額と所得金額では生活ができないと思われたら、何か裏があると勘ぐられるんですね。例えば、事業での収入金額が1,000万円、所得金額が50万円なら、必要経費は差額の950万円。1年間で50万円の生活費って、あまりに不自然ですよね。

そもそも事業をする目的はお金を残すはずなのに、確定申告で収入金額の95%を必要経費に使ったというのはちょっと無理が・・・というのはおわかりかなと思います。

一目でわかる確定申告書の不自然な点

上記のような確定申告書をみれば、税務署が疑うポイントは2つ。

・収入金額を一部隠している
・生活費(の一部)を必要経費にしている

個人の確定申告で、どう生計を立てているかを税務署が分析することで、追徴課税できるかどうかの目星を付けているのです。そして、怪しいと思った人に対しては税務調査に入るという流れがあるんですね(もちろん、怪しくなくても税務調査は入ります)。

収入金額でどう生計を立てているのかが税務署にはすぐに分かります

それでは、事業不振で赤字が出た場合でも、税務署は不信がるのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。本当に経営が苦しいなら、生活するために他のところから収入を得ますよね。

それがアルバイトや保険の解約など手段はいろいろあります。そういった場合、確定申告書に、給与所得や一時所得の収入金額を記載します。その確定申告書を見たら、不自然とは思わないですよね。

大丈夫!普通に申告すれば不審に思われないのが確定申告書

とりあえず、普通に確定申告をしていれば、確定申告書の内容が不自然になることはないはずです。生きるためには、必ずどこかで収入を得なければなりませんからね。そのために、確定申告書に収入金額を記載させるんですね。

参考)
確定申告で計上した経費が正しいと判断するのは誰?
税務調査では税務署側が否認する項目を立証する責任があります

 

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