個人事業主にとって国民年金の負担は決して楽ではないと思います。平成28年度における国民年金の掛金は16,260円/月と結構な金額になっています。これですと、事業が軌道に乗るまで、その負担が重くのしかかりますよね。

国民年金は、一見すると所得金額に関係なく一律の金額に思えますが、実は違います。確定申告の課税所得金額によって国民年金を減額できるケースがあるのです。

具体的に確定申告とどう関係するのか、確認していきましょう。

1.国民年金の減免額と受け取れる金額の関係

実際に国民年金が減額される金額は確定申告の課税所得金額によって次の金額に区分されます。カッコ内は国民年金の全額を納めたときと比較して、受け取れる年金の金額です。

①57万円以下・・・全額免除(1/2)
②78万円以下・・・75%免除(5/8)
③118万円以下・・・50%免除(6/8)
④158万円以下・・・25%免除(7/8)

※上記金額は扶養親族がいない前提です。詳しくはこちらをご参照下さい。

この手続きをすることにより、未納よりは老後に年金が受け取れますね。また、減免を受けた後であっても、減免されてから10年以内に追納すれば満額を受け取ることも可能です。

確定申告で課税所得金額を計算した上で、国民年金の特例制度について国民年金機構へお問い合わせしてみて下さいね。

2.国民年金の追納制度を活用すれば年金対策と節税の両方が狙える

さて、確定申告の課税所得金額は具体的に次の通りになります。

①収入金額-必要経費=所得金額
②所得金額-所得控除=課税所得金額

所得控除の中には納めた国民年金も含まれます。その点からすれば、所得金額が少ないときは全部または一部を免除してもらい、事業が軌道に乗ったら追納すれば、「将来の年金確保」、「確定申告での節税」の両方ができることになります。

国民年金は支払った年の所得控除になりますので、所得が高い年に控除した方が得なんですね。もちろん、将来的に所得が高くなる前提ですが。

ひとまず、国民年金の減免制度に引っ掛かるような場合は、積極的に減免を受けた方が良いのではないかと思います。

3.まとめ

国民年金の減免制度は、独立したての方にとってはかなり重要な規定かと思います。

また、所得税が累進課税であることを利用して、「所得が多い時に納付し、少ない時は納付しない」という手段を取ることによって、節税対策にもなります。

年金については、将来もらえないかも知れない、払い損かも知れないなど色々考え方はあるかも知れませんが、現時点では年金の支払は義務ですので、納めないという選択肢だけは選ばないようにしたいですね。

 

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