儲かった年の翌年はお金の支出を抑えるべきと言われていますが、それはなぜでしょうか。実は、確定申告で所得税の金額が多くなればなるほど、予定納税の金額が多くなるんですね。

予定納税は前年の確定申告における所得税額を参照して、その確定申告をした年に見込で納税をする制度になります。今回はそんな予定納税について確認していきましょう。

1.予定納税しなければならないライン

予定納税を納める義務があるのは、確定申告で予定納税基準額が15万円以上となった個人事業主の方になります。

※予定納税基準額
予定納税基準額は前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額で、基本的にはその人の前年分の申告納税額がそのまま予定納税基準額となります。

例外としては、前年に山林・退職・分離課税の所得・譲渡・一時・雑・平均課税などがあった場合や、災害減免法の規定の適用を受けた場合がありますが、基本的には前年の申告納税額と覚えておけば良いかと思います。

さて、予定納税に話を戻しましょう。予定納税の計算方法は単純で、予定納税基準額の1/3を7月と11月に納めます。合計で、予定納税基準額の2/3を支払うことになるんですね。

実際に具体的な数字を用いて予定納税額と確定申告で納付する所得税をシミュレーションしましょう。

例)
・前年分の予定納税基準額 120万円
・今年分の確定申告における納税額 100万円
・1回で納める予定納税は120万円×1/3で40万円

この場合の納税スケジュールの次のとおりになります。

・第1期の予定納税額は40万円(納付期限7月31日)
・第2期も同額の40万円(納付期限11月30日)

そして、確定申告で納める所得税は

「年間所得税-予定納税額」

となりますので、100万円-40万円×2=20万円となります。

このように前年分の納税額が大きいと今年の資金繰りに影響するんですね。

2.予定納税額を減らすための減額申請制度とは

前年が儲かって、今年も儲かっているのであれば、予定納税の資金繰りはそこまで困らないと思いますが、今年が前年と比べて業績不振だったような場合、予定納税額が重くのしかかることがあるかも知れません。

そこで、そういった個人事業者の方のために予定納税の減額申請という制度があります。具体的には次の通りです。

 

・その年の6月30日時点で、その年の見込所得税額が予定納税基準よりも少なるなると見込まれる場合は、7月15日までに減額申請
・10月31日時点の場合は、見込所得税の金額を11月15日までに減額申請

 

予定納税はあくまで今年の税額を先に支払う制度ですので、今年の税額が前年よりも少ないと見込まれる状況であれば、今年に見合った予定納税をすれば良いというのが減額申請制度になります。

もちろん、予定納税は今年の納税額を前払しているに過ぎませんので、予定納税の金額によって今年の税額が増減するということはありません。先に払うか後に払うかだけの違いですね。

3.還付加算金を受け取るという戦略

予定納税が多い場合、年税額確定後に支払い過ぎた予定納税額が還付されることになります。

仮に、予定納税額が100万円、今年の確定税額が70万円だった場合は、100万円-70万円=30万円が還付されることになります。

払い過ぎた税金が返ってくるのは当然なのですが、この返ってくる金額には還付加算金という利息が上乗せされます。ちなみに、利率は2.8%前後と今のご時世にしては結構な利率になります。

そうすると、今年の税額が少なくなると見込まれる場合であっても減額申請をせずに予定納税を行い、確定申告後に多く支払った予定納税額を返してもらい、かつ、利息を受け取るという方法もある訳です。

そう考えると、無理して減額申請をする必要はないかも知れませんね

ちなみに、法人税や消費税の予定納税にあたる中間申告で、仮決算をしてわざと多く予定納税を行い、還付加算金を受け取るということをやっている企業が結構あったようです。

そのため、予定納税基準額を超える金額を支払うことができなくなったということがありました。なんでも、意図的にやろうとしないで下さいねというメッセージですかね。

 

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