固定資産は確定申告で減価償却の手続きにより、法定耐用年数であん分して必要経費に落とします。その理由は今年だけはなく、来年以降の売上に貢献するためでしたね。この件について、確定申告をしている方から減価償却について以下のような質問を受けることがあります。

「なぜ、定率法では前倒しで必要経費に落とすんですか。毎年、定額法のように均等にすべきではないんでしょうか」

確かに固定資産を利用して、古くなるほど売上の貢献度が落ちるワケはありません。ですから、毎年の確定申告で減価償却費を均等に計上するほうが公平に見えますね。

定率法を使うと必要経費が平準化する?

実をいうと定率法は毎年の確定申告で必要経費を均等にするため、減価償却費を前倒しで計上しています。「え?」と思われたかも知れませんが、嘘ではありません。その前提にあるのは、固定資産を修理して利用するという点です。

固定資産が古くなって減価償却費に計上される金額が少なくなっても、修理代をプラスすれば毎年の確定申告では必要経費は均等に計上されますよねという理屈です。

減価償却の計算方法で定率法は廃止されつつある

しかし、いまの時代は固定資産を修理して利用するのでしょうか。パソコンが故障したら、買い換えませんか。また、建物などの修理が頻繁に行われますか。定率法によって、確定申告で減価償却費を前倒しに落とすことがいまの時代にマッチしているか疑問が残ります。

そのため、税法でも定率法の適用できる資産の対象が狭くなっています。現に以下の資産は確定申告で定額法しか利用できないように改正されました。

■定額法しか採用できない固定資産
・平成10年4月1日以降に購入した建物
・平成28年4月1日以降に購入した建物付属設備・構築物

確定申告での税制改正は社会通念を念頭に置いている

建物・建物付属設備・構築物は長期的に使用するのが前提ですし、頻繁に修理するということはあまりありません。そのため、確定申告で減価償却の計算するときに定率法が廃止されています。

税法は社会通念に敏感です。果たして、減価償却の計算が定額法に一本化されるのは、建物・建物付属設備・構築物だけなのかちょっと疑問です。対象となる固定資産が拡大されるかどうかに注目したいですね。

参考
確定申告を悩ませる減価償却という制度について
確定申告で定額法か定率法かの選択によって所得金額が変わります

 

【完全無料】今なら税理士に無料相談できます!