「資産」

このキーワードからどんなものを連想しますか。預金・不動産など色々ありますが、抽象的に表現すると、「現金に換算できるもの」という認識ではないでしょうか。

ところが、資産価値がないのに確定申告では資産に計上しなければならないものがあります。それが前払費用と繰延資産です。これらは、確定申告で所得金額に加算します。今回は、そんな「あまりおいしくない」資産である繰延資産にフォーカスします。

繰延資産は2種類あり、処理方法が異なる

個人事業主にとって、繰延資産は確定申告で登場する独特の項目です。1円の価値もないのに資産に計上するのにはワケがあります。その理由とは、固定資産と同じように、長期間にわたって売上に貢献するからです。

確定申告において繰延資産は以下の2種類に分類されます。

・会計上の繰延資産
・税法独自の繰延資産

同じ繰延資産でも、確定申告で必要経費に落とすための計算方法は異なりますので注意しましょう。

繰延資産の種類によってこんなに計算方法が違う

それでは、繰延資産はどのように確定申告で必要経費に落とすのでしょうか。

・会計上の繰延資産
支出した金額のうち、好きな金額だけ確定申告で必要経費に落とせます。つまり、所得金額が多ければ一括で計上するというのでもOKです。具体的な項目は開業費と開発費です。これらは、所得金額が少ない時は必要経費にしないで、所得金額が多い時は必要経費にするという利益調整をすることができますので、便利と言えば便利ですね。

・税法独自の繰延資産
税法で定めた償却期間で均等にあん分します。主な項目は不動産を賃貸するときに納める保証金(権利金)のうち、解約時に返還されない部分の金額(礼金など)です。これらは、通常、契約期間によってあん分をします。例えば、返還されない保証金が30万円で、賃借期間が5年の場合は、30万円÷5年=6万円ずつを毎年の必要経費にすることになります。

なお、20万円未満の繰延資産については、全額をその年の必要経費にすることができます

このように繰延資産の種類によって、確定申告で必要経費を計算する方法は変わってきます。

物件を借りるときは要注意

確定申告の実務上で注意すべき点は、保証金(権利金)を償却期間に応じて必要経費に落とすことを忘れないことに尽きます。繰延資産であることを読み取るためには、契約書を読み取る力が必要です。なお、保証金(権利金)があるかどうかは47都道府県によって違いますので、これも注意が必要です。

単純な読み取り方法としては、

・返還されない保証金や礼金はあるか
・敷金のうち償却される金額はあるか
・賃借期間は何年か

になります。これらの情報がわかれば、繰延資産を計上することができますので、ぜひ、契約書を読み直してみて下さい。

もし不安であれば、契約書を持参して税務署か税理士に相談することをおススメします。

 

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