確定申告で話題になるものの1つに固定資産の処理が挙げられます。固定資産は、営業交通費などと違って、支払った金額すべてが必要経費として認められるとは限りません。固定資産の取得金額によって変わってくるんですね。

具体的に言いますと、確定申告で必要経費として一括で落とせる金額は次のとおりです。

・白色申告・・・10万円未満
・青色申告・・・30万円未満

上記の金額にはちゃんと意味があります。それを知ることで必要経費に対する理解が一段と深まることでしょう。

本来は固定資産を一括で必要経費に落とすべきではないが・・・

そもそも確定申告で固定資産を一括して必要経費に落とせること自体、実は優遇税制なんですね。固定資産とは1年以上にわたって使用できる備品・設備などです。何年にもわたって売上に貢献する性質なので、法定耐用年数で按分するほうが合理的です。確定申告において一括で必要経費に落とせるほうが例外なんですね。

しかし、白色申告の10万円未満と青色申告の30万円未満を確定申告で固定資産を一括経費に落とせる金額のラインにした理由は全く異なります。

優遇税制と簡便性

白色申告の場合、10万円未満が一括で必要経費に落とせる理由は「面倒だから」です。単純にそれだけです。たとえば、1万円の自転車も厳密には固定資産です。ふつう、1年以上は使用しますよね。ホチキスなども同じ。全部、固定資産として耐用年数で按分したら、確定申告をするのに手間がかかりすぎます。

実務上の便宜性を考慮して、10万円未満であれば必要経費としても良いですよとされているんですね。

それに対して、青色申告の場合の30万円未満は中小零細企業を優遇するためです。その証拠に大企業には認められません。適用できる期限も平成30年3月31日までに取得して使用されたものに限られます。

このように確定申告での優遇税制は簡便性と優遇措置の2つに分かれるのです。

簡便性による優遇税制を優遇措置と勘違いしないようにしましょう

固定資産の取り扱いのように、確定申告の優遇税制と見えるものが、実は簡便性によるものが結構あります。その場合、優遇措置と勘違いして節税対策をやりすぎると租税回避行為と認定されるリスクがあるので注意しましょう。

実際に簡便性による優遇税制のひとつ、短期前払費用の取り扱いで否認された判例もあります。したがって、簡便性か優遇措置なのかを見極める必要があるんですね。

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