少し確定申告の話から脱線しますが、譲渡所得の計算と密接な関係がありますので、ぜひ読んで頂ければと。

時代劇・大岡越前の内容です。大工は借金が返済できず、両替商は小判の変わりに大工道具で返済させました。それに対して、奉行の大岡越前は両替商に対して、現代でいう損害賠償金を大工に支払わせます。これは、なぜでしょうか。答えは単純で、大工にとって道具がなければ仕事ができません。ということは、大工は休業に追い込まれたと考えられますので、その間に働いて得たはずのお金を両替商に弁償させたことになります。

同じ返済でも、資産で返済する場合は違う扱いになるんですよという良い事例だと思いますね。

譲渡所得の方が事業所得よりも最大50万円控除が多い

大工にとって道具は資産です。その資産を売却するということは、後々の収入に悪影響を及ぼします。結果、税金を負担する能力が減少することになります。確定申告における譲渡所得の計算は、それを考慮しているんですね。これは、事業所得の計算方法と比較すると分かりやすいかと思いますので、譲渡所得のうち総合課税を例に確認していきましょう。

・事業所得=収入金額-必要経費
・譲渡所得=収入金額-取得費・譲渡費用(必要経費)-”50万円”

確定申告では、譲渡所得は事業所得よりも最大50万円多く所得控除をすることができます(譲渡所得が50万円未満の場合は控除できる金額はその所得金額となります)。例えば事業用の車を売却したとすると、その後の活動に支障が出ますよね。結果、個人事業主の儲ける力と税金を負担する能力は減少します。ですから、確定申告では50万円の特別控除が認められているという具合です。

長期保有した資産の譲渡所得は確定申告でさらに優遇

実は総合課税の譲渡所得は特別控除50万円のほかにも、確定申告で優遇措置があります。優遇が受けられるのは、譲渡時点での所有期間が5年を超えていた場合です。この場合は長期譲渡所得として取り扱われ、以下の算式により課税対象額を算定します。

(収入金額-取得費・譲渡費用-50万円)×1/2

短期譲渡の場合の課税対象額に1/2を乗じますので、かなりお得になりますね。恐らく、5年以上保有した資産を譲渡するということは、税金を負担する能力が低いと国が判断したのだと思います。

したがって、4年以上5年未満の保有期間である資産があれば、その譲渡は1年待った方がいいかも知れませんね。

譲渡所得と事業所得を区別するのには意味がある

結局、資産とは大工が道具を使って稼ぐように、経済的ポテンシャルがあるといいえます。ですから、確定申告では譲渡所得を計算するときに、事業所得より優遇しているんですね。

 

参考)
譲渡所得は総合・分離、長期・短期に注意
マイカーの売却が事業所得でなく譲渡所得になる理由

資産の譲渡は全て譲渡所得?事業所得になるものはない?

 

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