確定申告は個人の専売特許ではありません。会社役員や会社員であっても、確定申告が必要な場合があります。
考えられるケースとしては、給与所得が2,000万円以上あるケースや、不動産所得があるケースなどが考えられます。
よくあるケースとしては、社長名義の不動産を法人に賃貸して、家賃収入を得るというスキームです。この場合、不動産所得が発生しますので確定申告が必要になります。
今回はそんな社長の不動産所得について確認していきましょう。
もくじ
1.青色10万円控除をなるべく楽に受けるために
社長にとって、不動産所得の確定申告における最大の節税方法は青色申告特別控除10万円の適用を受けることでしょうか。残念ながら、不動産業のような規模(五棟十室)がなければ、65万円の控除は受けられません。
そして、その10万円の控除をうけるためには現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳が必要になります。
この5つの帳簿を社長自身がつけるのは大変だと思います。社長の仕事は不動産所得を得ることではなく、確定申告で10万円の青色申告特別控除が受けることとしたら、ここに割く時間はできる限り短くしたいですよね。
不動産所得の確定申告におけるポイントは、「いかに帳簿作成に時間をかけないか」になります。
2.確定申告で効率よく10万円の青色申告特別控除を受けるコツ
中小企業の社長が帳簿の作成を効率化するためには次の手順を踏む必要があります。
①現金主義の特例を選択する
これによって、売掛帳と買掛帳から解放されます。
②固定資産台帳・決算仕訳は税理士か記帳代行業者に丸投げ
この辺は専門的な技術がいりますので、丸投げしてしまった方が良いでしょう。
③支払いは通帳・クレジットカードなどを極力通す
現金払いを極力なくすことで、クラウド会計を使ったりCSVから帳簿を作成することができますので、面倒な仕訳の入力から解放されます。
④現金払いものは社長のポケットマネーから支払う
これによって現金出納帳の作成から解放されます。不動産所得に係る現金残高はゼロにするのがお勧めです。
3.不動産所得は必要経費の項目が少ない
不動産所得の場合、ローンの返済は費用になりませんし、必要経費にできる項目もあまりありません。主な必要経費は、
・不動産の修繕維持費
・固定資産税
・支払利息
くらいで、あとの経費というのはあまりないかと思われます。したがって、10万円と言えど所得控除ができるのは大きいですよね。
ただ、そのために労力を費やすのはもったいないので、なるべく帳簿作成に時間が掛からないような方法を採用するようにしましょう。