テレビドラマにもなった作家・谷村志穂原作の『結婚しないかもしれない症候群』に登場した女性が10年後には、横領して会社をクビになったエピソードがあります。個人事業主で従業員を雇う場合、規模が小さいために管理が行き届かないケースがどうしても出てきますね。

さて、従業員が横領したときに確定申告で問題になるのは、どう所得金額に影響を及ぼすかどうかです。横領なんてない方が良いに越したことはありませんが、万が一に備えて知っておいても良いかもしれません。

確定申告した内容の信頼を損なわないためには

従業員が売上金額を横領した場合に問題となるのは、抜いたお金分の売上を収入金額に計上しているかどうかです。もし、横領された売上分を売上高として計上していない場合は、売上計上漏れとして、確定申告で所得金額に加えなければなりません

売上金額を抜くこと自体はかなり悪質であると税務署側は認識しています。当然ですよね。そこで、大切になるのは個人事業主が従業員の横領を知りえたかどうか。もし知っていたのであれば、確定申告で脱税と認定されて重加算税の対象となります。

確定申告でごまかしがないと税務署側に認めてもらうためには、従業員の横領は知りえなかったことを説明する責任があるんですね。

横領されたのに売上高にしなければならないというのは納得がいかないかも知れませんが、売上があった事実は変わりません。イメージとしては、売上があって、その売掛金が回収できていないという状況なのですね。

横領された金額は返済能力しだいで取り扱いが変わる

もちろん、横領されたということは、お金が実際に無くなっています。そこで、確定申告でその分を必要経費に計上できかどうかが問題になります。これは、従業員本人の返済能力にかかっています。

・返済能力がある場合
確定申告で必要経費に落とすことができません。損害賠償請求権という債権になり、個人事業主の財産になります。

・返済能力がない場合
従業員が失踪した、横領したお金を使い切ってしまった等により、横領された金額を回収することができない場合は、債権の滅失ということで、貸倒損失として処理をします。

横領を起こさない仕組み作りが大切である

確定申告をするとき横領とは関わりたくないですね。そのためにも、横領などの事故が起こらないような仕組作りをしておきたいものです。具体的には、入社●年以上の社員にしか現金を扱わせないなどの対処が必要でしょう。

参考)
確定申告で附随収入が漏れてしまっていませんか?
嘘の確定申告書は税務署にすぐバレるというのは都市伝説か
確定申告で計上した経費が正しいと判断するのは誰?

 

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