所得税を確定申告すれば、税務調査の対象になります。仮に税務調査で100万円の申告もれが指摘されたらどうしましょうか。選択肢は2つで、

・税務署に更正処分をしてもらう
・修正申告をする

のいずれかになります。ただし、更正処分をされた場合は各種罰金等が課せられる可能性があるため、修正申告を行うのが一般的です。修正申告は、過去に提出した確定申告を自らの意思で訂正することになります。修正申告は誤りを認めて訂正する行為なんですね。

さて、間違って確定申告をした年と今年とでは税法の内容が若干違いますね。たとえば、平成26年までと平成27年以降では所得税率が異なります。そこで一つ質問です。平成26年分の確定申告で100万円の申告もれが発覚した場合、修正申告をするときに、税率は古いものと最新のものとどちらを用いるのでしょうか。

修正申告では修正に係る年度の所得税法を適用

上記の解答ですが、平成26年までの古い税率を使用します。当り前でしょ!と感じる方もいるかもしれませんが、これはけっこう重要なお話です。所得税や国税通則法の条文に「古い税率を用いなさい」とは一言も書いてないんですね。それでも、確定申告した年の税率を基準に修正申告を当り前のように行うのには、ちゃんと理由があります。

確定申告した年の法律で修正申告するのが法律の大原則

過去の年の確定申告に対応した税法を用いて修正申告をする理由は、法律の大原則に基づいています。ですから、所得税法や国税通則法に「古い税率を用いなさい」という条文は必要ないんですね。

では、法律の大原則とは何でしょうか。それは現在の法律を過去にさかのぼって、適用してはいけないということです。平成26年の確定申告のミスで、修正申告をするときに最新の税率を用いない理由はここにあります。

法律の大原則にはワケがある

現在の法律を過去にさかのぼって用いてはいけないのは、国家権力の暴走を防ぐためです。急に税収を確保したいからといって税率アップで、過去にさかのぼって課税されたら、安心して確定申告ができませんよね。そのような不安を取り除くために、古い年の申告もれには、その年に定められていた税率で修正申告をするのが大原則になっているのです。

これで安心して修正申告ができますねって、修正申告するような事態にならないのが一番ですが・・・。

 

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