さて、確定申告書を作るのも大変ですが、その後の納税も結構面倒だなという方もいらっしゃるかと思います。たしかに、いちいち納付書を書いて金融機関に持っていくのは面倒ですよね。金融機関が混んでた日には、「なんでお金払うのにこんな待たないといけないの・・・」となるかと思います。

そんなあなたのために、今回は便利な振替納税制度についてお話します。

1.振替納税の概要

本来、納税は銀行等の金融機関に行って行わなければなりませんが、個人の所得税、消費税については、あなたの銀行口座から引き落としをすることができます
この引き落としをしてもらうことを振替納税と言います。

振替納税は、預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書(以下、「振替納税依頼書」)を確定申告書の提出期限までに、納税地の所轄税務署長宛(確定申告書を提出する税務署)に提出すればOKです。

そうしたら、今年分の確定申告書の提出期限までに振替納税依頼書を提出すれば、今年の確定申告に係る所得税から振替納税を行うことができます。ちなみに、確定申告後の予定納税についても振替納税がされますので、これもまた便利ですね。

2.振替納税のメリット

本来、確定申告に係る所得税額は3月15日、消費税額は3月31日までに納付しなければなりませんが、振替納税の場合は所得税が4月20日、消費税が4月25日(該当日が土日の場合は次の営業日)に引き落としがされます。実に1ヶ月近くも納税しなくて済むんですね。

もちろん、これに係る利子税・延滞税などは一切かかりません。単純に納付時期が遅くなるだけです。

3.振替納税の手続き

こちらから振替納税依頼書をダウンロードして内容を埋めていきます。
記載方法は簡単で、銀行情報を書いて銀行印を押すだけです。

(出所:国税庁HP

くどいですが、提出期限は確定申告書の提出期限と同じです。確定申告書と一緒に提出するのが楽ですね。
ETAXを利用している場合は、振替納税依頼書のみ紙で提出することになります。

4.振替納税依頼書を提出する場合の注意点

振替納税依頼書の提出は、税務署に持参するか郵送することになります。
この場合の注意点として、

「控えを必ず持っていく」

ようにして下さい。

控えを持参すると受付印を押してくれますので、後で「提出されてないよ!」と言われた場合であっても、「控えがありますよ!」と言うことができます。たまに、こういったことがあるようですので、必ず控えをもらうようにして下さい。

また、郵送の場合は、

・振替納税依頼書
・振替納税依頼書控
返信用封筒(切手貼付)

の3点セットで送ります。

返信用封筒を入れておかないと控えが返ってきませんので、必ず入れましょう。また、切手の貼り忘れも結構あるようですので、ご注意下さい。

なお、郵送の場合の提出期限は、申告書の提出期限日の消印有効となります。必着ではないので、少しだけ余裕がありますね。

5.ネットバンクは振替納税ができない?

振替納税を行う金融機関には制限があります。具体的には、ほとんどのネットバンクは使えません。軽く調べたところ、メジャーなジャパンネット銀行や楽天銀行では振替納税ができないようでした。もし、振替納税をネットバンクで行おうとお考えの場合は、必ず金融機関に振替納税ができるか問い合わせるようにして下さい。

振替納税依頼書を提出したけど金融機関がNGでした・・・

となって、延滞税がかかってしまったらもったいないですからね。

6.引っ越しをした場合は要注意!

振替納税は税務署単位で提出をします。したがって、所轄税務署が変わってしまう引っ越しをした場合は、振替納税依頼書を再度新しい税務署に提出しなければなりません。「振替納税依頼書出してるから大丈夫!」と思っていると痛い目を見るかも知れませんので、引っ越した場合は、

・異動届(引っ越し前後の所轄税務署)
・振替納税依頼書(所轄税務署が変わる場合)

を提出することを忘れないようにして下さいね。

ということで、まだ振替納税をしていないという方は、この機会にぜひ振替納税をご検討下さい。1回提出したら取りやめをしない限りずっと有効ですので、便利ですよ。

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