「社長は”中古”の”ベンツ”を買いたがる」

税金の世界では有名です。そのワケは次のとおりです。

①中古・・・確定申告で中古資産として取り扱われるため
②ベンツ・・・中古資産といえども値段が高いため

何が言いたいかと言いますと、高い値段の固定資産を新品よりも短期間で、確定申告で必要経費に落とせるから中古のベンツはいいんだよ!ということです。そのため、節税スキームで中古資産の購入は常套手段となっています。

中古資産のメリットは新品より短期間で必要経費に落とせること

なぜ、中古資産は確定申告で新品の固定資産より短期間で必要経費に落とせるのでしょうか。それは減価償却する期間(見積耐用年数)が法定耐用年数より短いからです。

短いのは当然で、法定耐用年数は全国の使用可能期間の平均値です。中古資産であれば使用可能期間が短くなると考えるのは自然ですよね。中古資産は、確定申告で次のように見積耐用年数を算定します。

(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)=見積耐用年数
※計算の結果、2年未満になるときは2年になります。

つまり、4年落ちの乗用車(新車の耐用年数は6年)を買えば、2年で必要経費に落とすことができるということですね。500万円のベンツを購入すれば、2年間で500万円の必要経費を計上することができることになります。

確定申告で固定資産を購入する時は、耐用年数がどうなるかの計算を忘れないようにしましょう。

中古資産の購入は本当にメリットがあるのか

確かに同じ固定資産でも中古資産を購入したほうが確定申告では税金が抑えられます。しかし、新品より得かどうかは別問題です。中古資産の見積耐用年数が短いのは、消耗するのが早いからです。いくら確定申告でたくさん必要経費に落とせるといってもコストパフォーマンスが悪ければ本末転倒ですよね。

中古資産の購入を、確定申告の節税のためだけを基準に決定することはあまりオススメできません。あくまで、使ってナンボです。

中古資産か新品の固定資産の選択は自己責任が原則

中古資産か新品の固定資産かを選択する基準は色々あると思いますが、最終的には本人がしなければなりません。中古資産は確定申告の節税スキームとして確立されていますが、事業の目的が儲けることである以上は、多角的な視点で選択することが大切です。

税金のことばかり考えて「木を見て森を見ず」に陥らないように注意しましょうね。

 

参考)
確定申告を悩ませる減価償却という制度について
減価償却とは何かをできるだけ簡単に説明してみます(前編)
減価償却とは何かをできるだけ簡単に説明してみます(後編)

 

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