確定申告における譲渡所得の計算式は次の通りでしたね。

譲渡所得=収入金額-取得費・譲渡経費-特別控除額

ここで気になるのは「特別控除額」だと思います。いくら控除できるのだろう?という疑問がありますよね。ただ、特別控除額は一律ではなく、資産の譲渡した方法によって金額が変わります。今回は、特別控除額をケース別に確認していきましょう。

こんなにある!特別控除が受けられるケース

確定申告の譲渡所得で、特別控除が受けられるケースは次の通りになります。

①収用交換等のために土地等を譲渡した場合・・・5,000万円
②特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合・・・2,000万円
③特定住宅造成事業等のために土地等を譲渡した場合・・・1,500万円
④農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合・・・800万円
⑤居住用財産を譲渡した場合・・・3,000万円
⑥一定の要件を満たす空き家を譲渡した場合・・・3,000万円
⑦一定の要件を満たす平成21年・22年に取得した土地等を譲渡した場合・・・1,000万円
⑧一般の土地建物等を譲渡した場合・・・0円
⑨総合課税の対象となる譲渡所得・・・50万円

確定申告で所得金額から控除できる特別控除額って、結構あるんだなぁと思われたのではないかと思いますが、①~④はほとんどお目に掛かることはないかと思います。滅多にないから優遇されているとも考えられますね。

確定申告で所得控除できる金額はトータルで5,000万円

そこでひとつ質問です。居住用財産の土地等を収用により譲渡した場合、確定申告で適用できる特別控除額はいくらになるでしょうか。該当するのは、以下の2ケースです。

①収用交換等のためのに土地等の譲渡した場合の5,000万円
②居住用財産を譲渡した場合の3,000万円

単純に考えますと、①と②の特別控除額を合計した8,000万円ですが、これは実はNGです。この例では、確定申告で所得控除できる金額は5,000万円になります(措法36①)。複数の特別控除の規定を受けられる場合における特別控除額の最高限度額は5,000万円です。確定申告をするときには注意しましょう。

取り扱う金額が大きいので自己判断よりも専門家に聞こう

このように資産の譲渡する内容によって、確定申告での特別控除額は違ってきます。譲渡所得は、ご覧のとおり金額が大きいので、計算ミス等により間違えた場合の増税額が大きくなるという危険があります。譲渡があった場合には、自己判断するよりも、税務署のタックスアンサーか税理士に問い合わせるほうが無難でしょう。

参考)
譲渡所得は総合・分離、長期・短期に注意
確定申告で譲渡所得の収入金額を算定する「時価」の概念とは
譲渡所得を計算する際の取得費計算で知っておくべき2つのこと

 

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