太陽光発電を使用と確定申告で優遇されるのを知っていますか。平成23年度の税制改正で導入されました。平成23年といえば東日本大震災の年ですね。電力不足となったことから、太陽光発電設備を取得した場合に、優遇税制が設けられました。

太陽光発電に関心のある方は多いですし、今後ますます増加することは予想できます。ということで、太陽光発電設備を取得した場合に、確定申告でどのように優遇されるのかを紹介しましょう。

太陽光発電のメリット・デメリットと確定申告の恩恵について

個人事業主の収入はサラリーマンのように安定していません。少なくとも、仕事がなくなれば収入は途絶えてしまいます。そこで、リスク分散の方法として、太陽光発電への投資が注目されています。注目される理由としては、預金に預け入れるより利回りが良いこと、特別償却ができること、収支が安定することなどがあります。

太陽光発電に投資するビジネスモデルは次の通りです。

①10年or20年間(調達価格により異なります)は、個人事業主が発電した電力を電力会社が買い取る義務がある
②義務付けられている期間は基本的に収入が保証される
③よって、10年or20年は安定した利益が見込める

したがって、収益予想を立て易いというメリットがあります。太陽光発電の営業も結構ありますよね。これだけメリットがあるのであればやってみようかなと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確定申告で優遇される2つのパターン

太陽光発電が確定申告で優遇される内容は次のとおりです。グリーン投資減税と生産性向上設備投資促進税制とのカテゴリーに分かれています。

①グリーン投資減税
・購入金額の30%の特別償却
・購入金額の7%の税額控除(中小企業等及び個人事業主で従業員1,000人未満の場合のみ適用可)

②生産性向上設備投資促進税制
・購入金額の50%の特別償却
・購入金額の4%の税額控除

※いずれも特別償却か税額控除の選択制になります。両方を適用することはできません。

それでは確定申告で太陽光発電にまつわる優遇税制が適用される2つのカテゴリーの基準は何でしょうか。

事業供用するか否かがキーポイント

同じ太陽光発電も2つのカテゴリーによって全く内容が異なります。

①グリーン投資減税
一般的に出力量50KW以上の太陽光発電が事業所得になります。

②生産性向上設備投資促進税制
・基本的に太陽光発電の購入金額が160万円以上であること
・生産性が向上すること(A類型)
投資利益率が15%(中小企業者は5%)以上(B類型)
・経済産業省に手続きすること

生産性向上設備投資促進税制については、確定申告をすると際に購入業者に確認を取った上で、経済産業省に確認をとらないと否認されるリスクがあります。太陽光発電で優遇税制を受ける場合には注意したいですね。

適用期間

グリーン投資減税・生産性向上設備投資促進税制は時限立法になりますので、適用期限があります。以下の期限内でなければ適用できませんのでご注意下さい。

①グリーン投資減税
平成30年3月31日までに取得等をし、その後1年以内に事業供用(優遇税制が受けられるのは事業供用日の属する年)

②生産性向上設備投資促進税制
平成29年3月31日までに事業供用

中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却・特別控除は受けられるか

確定申告での電力販売が事業所得のケースだけですと、中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却・特別控除(以下、「中小の機械」と言います)が真っ先に浮かぶのではないでしょうか。たしかに、良い感覚だと思うのですが、中小の機械は業種が限られており、その中に電気業は含まれていません

恐らく、中小企業者が電気業を行うという前提がなかったために対象業種に入っていないのだと思いますが、現実に入っていない以上、中小の機械の適用は受けられないのではないかと考えられます。

仮に中小の機械の適用を受けられるとした場合、取得価額160万円以上の新品の太陽光発電設備(中古はダメ)を購入すれば、確定申告で優遇税制が適用できます。

①特別償却・・・購入価格の30%を前倒しで必要経費に計上
②特別控除・・・購入価格の7%を所得税から控除
※ファイナンスリースで購入した場合は確定申告で②特別控除のみ適用できます。

特別償却・特別控除の内容を見ておわかりかと思いますが、中小の機械とグリーン投資減税は同じ内容になります。したがって、中小の機械を適用しなくてもグリーン投資減税が適用できれば問題ないということになりますね。

安易に優遇税制を使うと痛い目に合うかも

確定申告の実務では、太陽光発電に限らず固定資産の特別控除・特別償却を受けるための条件は細かいです。あくまでもエネルギー問題改善などの政策実現が目的ですから、その適用を受けるためには結構なハードルがあると考えて下さい。その側面を知らないで安易に優遇税制を適用したため、確定申告をした内容が否認された例はたくさんあるようです。。。

太陽光発電を購入して確定申告で特別控除か特別償却の適用を受ける場合には細心の注意を払いましょう。

参考)
確定申告を悩ませる減価償却という制度について
確定申告で「得する」節税と「得しない」節税があるって本当?
確定申告で節税をするのは悪くないけど、その先を考えていますか?

 

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